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  • 執筆者の写真Susumu Ueda

<作曲家>この不自由で不可思議な多面的世界 06 / 誰だかすぐにわかりますか?

【 色んな仕事をしています ⑥ 】



皆さんは、この写真の俳優陣が誰だか名前をすぐに言えますか? 敬称略で真ん中から左へ順番に江口洋介、宮迫博之、白石美帆、玉山鉄二。 真ん中から右へ財前直見、伊藤美咲、竹中直人、石川亜紗美の皆さん。 もしこの写真だけで何というドラマかわかったらすごいドラマ通だと言える。 テレビの世界、特にドラマは視聴率争いが熾烈なジャンルの一つで、視聴率が悪いと脚本が変更になったり、放送回数が短くなったりすることが、あるあるな世界。実はこの俳優陣が出演していたドラマは、2003年4月〜6月にフジテレビ系列でオンエアされたほとんど知られていない月9ドラマ「東京ラブ・シネマ」なのだ。 トレンディードラマの常連売れっ子俳優、ベテラン、若手の人気男優、新人の美人女優など、さすが月9ならではの豪華キャスト!そして主題歌は大滝詠一さんが歌う「恋するふたり」。ドラマとしてヒットしないわけがない!と思われていたのだが・・・。 実は月9の視聴率ワースト記録を作ってしまい、その記録は6年後の「婚カツ」まで破られなかったという作品になってしまった。それゆえに月9の作品としては知名度がすごく低いものに。 内容が映画業界のミニシアター配給分野というどちらかと言えば地味な仕事を舞台にしたラブコメディーで、<アラフォー>女性をターゲットにし、仕事ができる<アラフォー>女性の大人の恋を扱ったのだが、当時の題材としてはタイミング的に少し早すぎたこともあり、見事に撃沈した。ひょっとするとこの作品から12年前に大ヒットした月9ドラマ「東京ラブストーリー」にあやかったかのようなタイトルも、期待と内容とのギャップを広げてしまい、低視聴率に拍車をかけたのかもしれない。その証拠と言うわけでもないが、初回16.9パーセントとまずまずの視聴率でスタートしたものの、回を追うごとに視聴率が低下していき、初回の視聴率を上回る放送が最後までなかった。 そんなネガティブ要素満載の「東京ラブ・シネマ」だが、今から18年前の私にとっては連ドラ・サントラ(劇伴とも言う)初担当の記念すべき仕事であり、いきなりの月9ドラマ(笑)だった!!サントラのメインテーマは下記。(誰かが放送から15年も過ぎた3年前にアップしてくれていた)




ドラマはコケてしまったが、サントラCDに収録された楽曲は評判もよく、様々なテレビ局の映像BGMとして今でもよく使われている。有難い話だ。 そしてその翌年2004年10月〜12月にオンエアされ、サントラを担当した連ドラ話題作が、テレビ朝日開局45周年記念木曜ドラマ「黒革の手帖」。主演は米倉涼子。松本清張原作で、何度も映画化やドラマ化された作品だが、米倉涼子はこのドラマの演技を評価されて、以後どんどん主役を務め、スターダムへとのし上がっていく。



実はこのドラマのサントラCDは発売されていない。あまりにも残念だがそれにはちょっとした事情があると聞いた。タイアップとしてエンディングテーマを歌っていたのが当時デビューして間もない「安良城 紅(あらしろべに)<現在は BENI>」で、「Here alone」と言う楽曲だった。当時彼女が所属するレコード会社a社は飛ぶ鳥を落とす勢い。サントラも自分のところに所属する作曲家でと、監督に強気のプッシュしていたようだが、監督がその話を断った。 その結果、真実関係は定かではないが、タイアップ曲と同じレコード会社がサントラCDも出すという慣例をくつがえしたという、業界のお話。音楽的には、不思議にタイアップ曲はアラビックな雰囲気の曲で、私が作曲したサントラのサブテーマはスパニッシュな雰囲気で、メインテーマも従来の一般的なサントラのイメージからすると、異色な感じを出したが、視聴者からは賛否両論あった。 そんなCDでは聴けないサントラのメインテーマとサブテーマはこちらから そして多くの人たちの涙を誘った有名な作品「1リットルの涙」のテレビドラマのサントラを担当したのが2005年。オンエアは10月から12月で、フジテレビ「火9」の枠だった。



このドラマは、私が語るまでもなく有名だが、地上波では再放送をおそらく見ることはこれからもないだろうが、TSTAYA DISCASでは今無料で全話視聴可能なようだ。 ゴールデンタイムと言われている時間帯の連ドラでサントラを手掛けたのは、以上の3作品。次回は、昼の連ドラや2時間ドラマと言われているもの、ドラマ音楽の打ち合わせの移り変わりなどを記録しておこうと思う。

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